テレビで騎手の姿を見て、「小柄な体格でないと無理なのでは?」と疑問を抱く方は多いでしょう。
実は、騎手を目指す上では身長そのものよりも厳しく管理されている「絶対的な数値」が存在します。このルールを知らずに目指してしまうと、後になって大きな壁に直面することになりかねません。
本記事では、現役トップである川田将雅騎手の実例などを交えながら、騎手に求められる体格ルールの真実や、高身長でも騎手になれるのかという疑問について、実際の現場事情をもとに解説します。
ジョッキーに身長や体重の制限はある?
騎手といえば小柄なイメージが強いですが、実際には身長に関する公式な上限ルールはありません。本当に管理されているのは「体重」のほうで、養成所に入る段階から厳しい数値基準が設けられています。
こちらでは、身長制限についての本当のところと、なぜ体重がそこまで重要視されるのかを見ていきましょう。
身長に上限なし!体重制限のみ規定あり
JRA競馬学校の募集要項を確認しても、身長の上限値は記載されていません。身体検査で測定は行われますが、あくまで発育状況を確認する記録として扱われます。
一方で、体重には厳しい制限があり、入学試験時には年齢(学年)ごとに47.0kgから49.0kg以下という基準が明確に決められています。例えば2026年4月入学(第45期)に向けた募集要項では、生年月日によって上限が細かく区分されていたため、受験前から計画的な調整が不可欠でした。
参考サイト:JRA
現場では「175cm以下が望ましい」と言われることもあるようですが、これはあくまで体重管理の観点からの目安であり、絶対的な決まりではありません。
小柄な騎手が有利な理由は「負担重量」
競馬界で小柄な騎手が多い大きな理由は、レースにおける「負担重量(斤量)」のルールにあります。
レースでは騎手の体重と馬具を合わせた総重量に制限があり、決められた数字を厳守しなければなりません。設定される斤量が軽い場合、体重が重い騎手は調整が難しく、乗せてもらえる馬が限られてしまうのが現実です。
そのため、馬具の重さ(約2kg〜)を引いた50kg前後の体重を無理なく維持しやすい、小柄な体格のほうが有利になりやすいのです。
ジョッキーは身長よりも体重維持が重要
騎手にとっては、「ジョッキーの身長」そのものよりも、毎日の体重管理こそが仕事をするうえでの大きな課題となります。
こちらでは、斤量制度の基本的なルールと、騎手が実践している体重管理の裏側についてご紹介します。
レースごとに変わる「負担重量」の決まり方
「負担重量(斤量)」とは、騎手の体重に加えて、勝負服や鞍などの馬具を合計した総重量のことです。なお、安全のために着用するヘルメットや保護ベスト、鞭、ゼッケンなどは含まれません。
斤量はレースの条件によって細かく設定されます。騎手はレース当日の「前検量」で装備品を含めた重量を測り、決められた数値に合わせなければなりません。もし重量が超えてしまっていれば、過怠金(罰金)や騎乗停止といった厳しい処分が下されるため、徹底した自己管理が求められるのです。
食事とトレーニングで体重を保つ現実
騎手の平均体重はおよそ50kg前後と言われており、同じ身長の一般的な成人男性と比べて約10kgも軽い水準です。
参考サイト:キャリアガーデン
海外の騎手などは、軽いジョギングに加えて、低脂肪で高タンパクな食品を中心としたメニューを取り入れているケースもあります。単に体重を落とすだけでなく、馬を全力で動かすための脚力や体幹を鍛える必要もあるため、筋肉まで落としてしまうような無理な減量は避けられます。
一時的ではなく、年間を通してアスリートとしてのベストな状態を保つ継続力が大切になってくるのでしょう。
現役ジョッキーの身長は平均何cm?
現役騎手の体格を見てみると、ある程度の傾向があるものの、全員が同じというわけではありません。平均的な範囲から背の高い騎手まで、実例を知ることで体格と騎手のキャリアの関係がわかってくるはずです。
こちらでは、騎手の身長がどれくらいなのかという傾向と、第一線で活躍している具体的な騎手の例をご紹介します。
JRA騎手の平均は160cm前後
JRAに所属する騎手の身長は、平均して160cm前後が目安と言われています。2020年時点のデータでは約162.0cmとなっており、全体としては156cmから165cm付近に集中しているようです。
また、体重に関しては40kg台後半から50kg台前半をキープしている騎手が大半を占めています。なお、女性騎手に関しては、男性との体力差を考慮して負担重量が恒久的に2kg軽くなる(見習い期間は最大4kg)減量特典という制度が設けられています。
川田将雅や武豊など170cm台の騎手も活躍
トップジョッキーとして活躍する川田将雅騎手の例を見てみましょう。彼は身長159cm・体重51kgという、騎手として非常に標準的で理想的な体格をしており、2004年のデビュー以来、中央競馬で常に上位の成績を残し続けています。
参考サイト:netkeiba
一方で、国内には松本大輝騎手(約176cm)や武豊騎手(約170cm)のように、平均より背が高い騎手も複数在籍しており、体格が大きめであっても実績を積み重ねている例は確かに存在します。
結論、身長の高さそのものよりも、決められた体重を維持し続けられるかどうかがポイントになるのかもしれません。
ジョッキーの身長が高くても騎手になれる?
「ジョッキーの身長」が高いと不利になるのではと不安に感じる方も多いですが、実際には身長そのものより、成長期の体重増加と筋力維持をどう両立させるかが重要です。
身長が伸びれば体重も増えるため、入学前に体格が変化して辞退を余儀なくされるケースもあります。近年は骨密度などで成長予測も行われますが、最終的に問われるのは、筋力や健康を損なわずに規定体重を管理し続けられる能力なのです。
まとめ
JRAの公式ルールにおいて、「ジョッキーの身長」に具体的な上限は決められていません。その一方で体重管理は非常に厳しく、レース当日は負担重量に合わせた検量が必ず行われます。
小柄な騎手が多いのは調整面で有利だからですが、高身長でも厳格な自己管理によって活躍している実例はあるようです。最終的に判断の軸となるのは、長期間にわたって体重管理と高い身体機能を両立できるかどうか、という点にあると言えそうです。









