様々ある日本の公営ギャンブルの中でも、とりわけ高い人気を誇る競馬。ギャンブルでプラスを出すというのはそう簡単な話ではありませんが、競馬においては安定してプラスを出すための買い方などが研究されており、定石のようなものもあります。
今回は競馬の馬券の買い方の一つ「流し」について紹介しますよ。
競馬の「流し」とは?
「流し」とは競馬の馬券の購入方法の種類の一つを指す言葉で、「流し買い」とも呼びます。競馬に馴染みの無い方は、「この馬が一位、この馬が二位に来るだろう」と予想して馬券を買うというイメージがあると思いますが、流しの場合はこの時一位に予想した馬を軸として、他の馬との組み合わせの馬券を複数購入していくのです。「◯◯の馬券を流して買っていく」というイメージです。この「流し」は初心者にも推奨される買い方となっています。
具体的な買い方の例
例えば8頭が出走するレースで1番の馬の上位入賞が堅い場合、この1番の馬を軸、「軸馬」として「流し」を実践していきます。軸馬を決めた後は、他に上位に入ってきそうな馬をいくつかピックアップ、2番と3番と4番が来そうだと睨んだなら、「1-2」「1-3」「1-4」の馬連の馬券を買う、といった感じですね。この時、2番、3番、4番の馬は「相手馬」と呼びます。軸馬を決めて、その後相手馬を決めて、それらの馬券を流して買っていくのが「流し」なのですね。
「流し」はどうして初心者におすすめ?
一着の馬だけを当てる「単勝」や三着までに入る馬を一頭当てる「複勝」は当てやすかったり、シンプルな分オッズが低くなり当てた時のリターンが少なくなります。一方で馬連などの複数の馬を当てる必要がある馬券は当てた時のリターンが大きいものの、当然当てるのは難しくなります。
「流し」は当てるのが難しい馬連などの馬券を、広い範囲をカバーするように購入することで外すリスクを抑えつつ単勝よりも大きなリターンを得るという買い方なのです。「ドンピシャで予想するのは難しい!」という初心者でも、この買い方なら当てられる可能性が高いのですね。
ハズレ馬券も買ってしまう
当然、流しは買い方的に余分な馬券、ハズレ馬券も買ってしまう買い方になります。得られる利益を下げて外すリスクも下げるという、いわばバランスを取った買い方になるので、ハズレの分を差し引いてでもなお利益が得られるという買い方をするのが重要ですよ。
相手馬の数を多くすればするほど、全外しのリスクは少なくなりますがその分リターンも少なくなります。どこまでを相手馬に含めるかの塩梅は、数をこなして、時には失敗も経験して掴んでいくものですよ。
軸馬の読みを外すと
当然、軸馬に予想した馬がコケてしまうと流しで買った馬券も全滅、総崩れとなってしまいます。そうなった場合は、相手馬の数が多く馬券をたくさん購入していた方が寧ろダメージは大きくなり、「相手馬を沢山選んだ方がリスクも少なくなる」ということも一概には言えないのですね。
「この馬は上位で来るだろう」と自信を持って言えない場合は、流し買いは諦める、もしくはそのレースでの馬券の購入自体を諦めるのが無難です。
様々な種類の「流し」
ここまでも「単勝」「複勝」「馬連」などの様々な種類の馬券の名前を出してきましたが、馬券の種類というのはとても多種多様であり、それと比例するように「流し」の買い方にも様々な種類があります。
ここからは「流し」の種類をそれぞれ紹介していきますよ。
出典:JRA公式チャンネル
馬連流し
馬連流しは馬券「馬連」を流しで買う方法です。馬連は1着と2着になる馬の馬番号の組み合わせを当てる馬券なので、まず「上位二着に入る」と睨んだ馬を軸馬に、そして相手馬をいくつかピックするという買い方です。前述した例も馬連流しを想定した買い方になっており、「初心者におすすめ」という意味では、まさしくこの馬連流しが当てはまるでしょう。
馬単流し
馬単流しは馬券「馬単」を流しで買う方法です。馬連と違い、1着と2着の着順も完璧に当てなければならず、的中難易度は更に高いです。「この馬は絶対1着」と予想して1着の馬を軸馬に2着の馬を相手馬として購入する、といった具合に軸馬の着順を固定する「馬単固定流し」と、軸馬が1着のパターンと2着のパターン、どちらもカバーする「馬単マルチ」の二通りの買い方があります。
ワイド流し
ワイド流しは馬券「ワイド」を流しで買う方法です。これまで紹介した馬券とは違い、ワイドでは「1着から3着」までに入る馬を2頭予想するというシステムになっており、カバー範囲がまさしくワイドです!当てやすさは随一ですが、リターンも少なくなってくるため、ワイド馬券を購入するのであれば流しでなくピンポイントで買ってもいいのでは、とも思いますね。
3連複流し
3連複流しは馬券「3連複」を流しで買う方法です。1着、2着、3着に入ってくる三頭全てを当てなければならないのが3連複で、これまた的中難易度はなかなかのもの。ですが、流しの買い方としてはベーシックな「馬連流し」の考え方をそのまま持ってこられるので、慣れてきたらこちらに挑戦してみるのもいいかもしれません。
軸馬を1頭にする「3連複1頭流し」と軸馬を2頭にする「3連複2頭流し」がありますよ。
3連単流し
3連単流しは馬券「3連単」を流しで買う方法です。3連単は、1着から3着の馬の着順を完璧に当てなければならない馬券、いよいよ当てるのはかなり難しい馬券ですね。こちらも軸馬の順位を固定する「3連単固定流し」と様々な順位の組み合わせ全て購入する「3連単マルチ」があります。
馬券の点数計算方法
流しで購入していると、今馬券を何点購入しているかの計算がややこしくなったりすることもあります。軸馬が1頭であれば、点数は相手馬の頭数にシンプルに比例しますが、馬券の種類によってはややこしくなってきますよ。
JRAは公式で組み合わせ数計算表を用意してくれているので、点数計算はそちらを利用しましょう。
最後に
今回は競馬の流しとはどういったものなのかについて紹介しました。初心者におすすめの流しですが、多種多様な流しの種類の中にはとても初心者には勧められないものもあります。まずはオーソドックスな馬連流しで感覚を掴んで、3連複流しなどに挑戦するというのがおすすめですよ。勿論、流しにこだわらず他の買い方を模索したり、一点買いに回帰するのもありです。