皆さんは野球の世界ランキングをご存知ですか?実は長年にわたって日本が世界ランキングの1位を守り続けているのです。
今回は野球の世界ランキングについて紹介します。
野球の世界ランキングとは
野球の世界ランキングは、世界野球ソフトボール連盟(WBSC)が発表する野球のナショナルチームのランキングシステムです。ハンドボール世界ランキングなどと同様、国際大会の結果によって順位が上下するシステムとなっています。
日本代表は2014年に初めて1位を獲得、その後一度は1位の座をアメリカに譲りましたが、2018年に再び1位となると以降はずっと1位を守り続けていますよ。
日本が連続1位の秘密は?
野球の世界ランキングは国際大会での成績をポイントに換算し、直近4年間のポイントによって決まる仕組みとなっています。ポイントを得られる大会の中でも、プレミア12とWBCで得られるポイントは特別大きくなっており、WBCを優勝すれば最大1000ポイントに優勝ボーナス150ポイント、WBSCが主催するプレミア12を優勝すれば最大1200ポイントに優勝ボーナス180ポイントを得られます。
日本は2019年プレミア12と2023年WBCを優勝しており、優勝できなかった年でもこれらの大会で上位に入り多くのポイントを獲得してきました。こういった結果が連続1位に繋がっているのですね。
【最新】野球の世界ランキングベスト5は?
ではここで2024年度12月31日付けの野球の世界ランキングベスト5を紹介します。
- 1位 日本 6911ポイント
- 2位 チャイニーズ・タイペイ 5558ポイント
- 3位 ベネズエラ 4877ポイント
- 4位 メキシコ 4769ポイント
- 5位 アメリカ合衆国 4751ポイント
2位のチャイニーズ・タイペイは2024年のプレミア12決勝で日本を破り見事優勝、多くのポイントを獲得して2位に浮上しました。ただ、ベネズエラは2023年のWBCでベスト8、2024年のプレミア12で4位。いずれも優秀な成績ではありますが、両大会では更に上位にアメリカがつけており、アメリカが5位でベネズエラが3位というランキングがしっくりこないという人もいるかもしれませんね。
世界ランキングで上位につける鍵は?
確かにWBCやプレミア12といった大きな大会は世界ランキングを上げる大事な機会となります。ただ、世界ランキングはそういった大会だけでは決まらないのです。
世界ランキングで上位につける鍵となるのは、世代別ワールドカップ。WBSC主催のU-23、U-18、U-15、U-12という世代別の国際大会の結果も世界ランキングに影響を及ぼすのですね。これらの大会で得られるポイントは、U-12なら優勝で最大300ポイントにくわえ優勝ボーナス45ポイント、U-23なら優勝で最大600ポイントにくわえ優勝ボーナス90ポイントと、世代が上がるほど多くなります。
若い世代も育っていることが大事
WBCは各国のトッププロが代表に集い、プレミア12にも年齢制限はないので高い実力を誇る選手が代表に選ばれます。一方でU-23、23歳以下で戦う大会では期待の若手選手などがチームの中心になりますし、U-18以下になると学生たちの戦いとなります。世界ランキングで上位につけるためには、プロの選手が強いだけではダメで、若い世代も育っていることが大事なのですね。
実は日本が連続で一位を守り続けられているのは、U23以下の大会で好成績を出していることも要因の一つで、チャイニーズ・タイペイも若い世代の戦いで好成績を残す傾向にあります。
ベネズエラは2021年のU-23ワールドカップで優勝
ベネズエラは2021年9月から10月にかけて開催されたU-23ワールドカップで優勝を果たしており、この結果が今の世界ランキングに効いてきています。ただ、前述の通り世界ランキングは過去4年間の成績で算出されるため、まもなくこのワールドカップ優勝は対象期間外になってしまいます。そうなるとベネズエラは順位を落とすかもしれませんね。
近年の国際大会の結果を振り返る
ここからは現在の順位を決めている過去4年間の国際大会について振り返ります。
2023ワールド・ベースボール・クラシック
最初に紹介するのは2023年のWBCです。一般的に野球の国際大会で最も権威のある大会とされるWBC、6年振りの開催となった2023年大会では日本が7戦7勝の全勝優勝を飾りました。2009年以来、3度目の大会制覇となりましたね。準優勝はアメリカで、ベスト4にはメキシコとキューバが名を連ねました。なお、チャイニーズ・タイペイは第1ラウンドで2勝2敗ながらも、A組5チームの中で最下位となってしまいました。
2023年WBC決勝戦の様子については以下の動画を要チェックです!
出典:MLB
2024プレミア12
世界ランキング上位12国が争うプレミア12、5年ぶりの開催となった第3回大会はチャイニーズ・タイペイが優勝を果たしました。主要国際大会初優勝の快挙に、台湾国内は大いに湧きました。2位に日本、3位にアメリカ、4位にベネズエラと続きましたよ。
プレミア12は2027年に第4回が開催予定。ただ、同大会では出場チームの拡大が予告されています。プレミア12の「12」は出場国数を表しているので、次回はまた名前が変わることになるでしょうね。
U-23ワールドカップ
2016年に第一回が開催され、その後2018年、2021年、2022年、2024年に開催されているU-23ワールドカップ。2021年は1位ベネズエラ、2位メキシコ、3位コロンビア。2022年は1位日本、2位韓国、3位チャイニーズ・タイペイ。2024年は1位日本、2位プエルトリコ、3位ニカラグアとなっています。近年開催頻度が多くなっており、それだけに世界ランキングへの影響も大きいのですね。
U-18ワールドカップ
ここ4年間では2022年と2023年に開催されているU-18ワールドカップ。2022年は1位アメリカ、2位チャイニーズ・タイペイ、3位日本。2023年は1位日本、2位チャイニーズ・タイペイ、3位韓国となっています。大会名が変わる前も含めるとこれまで31回行われているU-18ワールドカップですが、日本の優勝は2023年が初めてでした。
U-15ワールドカップ
ここ4年間では2022年と2024年に開催されているU-15ワールドカップ。2022年は1位アメリカ、2位キューバ、3位チャイニーズ・タイペイ。2024年は1位日本、2位プエルトリコ、3位チャイニーズ・タイペイとなっています。こう見ると、チャイニーズ・タイペイも若い世代の大会でコンスタントに結果を残していることが分かりますね。
U-12ワールドカップ
ここ4年間では2022年と2023年に開催されているU-12ワールドカップ。2022年は1位アメリカ、2位ベネズエラ、3位チャイニーズ・タイペイ。2023年は1位アメリカ、2位チャイニーズ・タイペイ、3位ベネズエラとなっています。過去7大会でアメリカが5度、チャイニーズ・タイペイが2度の優勝、この世代の大会は両国が非常に強いのですね。
最後に
今回は野球の世界ランキングについて紹介しました。ちなみに2021年に行われたオリンピックの野球競技の結果もポイントとして世界ランキングに反映されています。オリンピックを優勝したのも日本、1位の座をより盤石としているのですね。